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体が自然に伸びするように

自己紹介でヨガをしていると言うと、こんな会話になることがある。

「へえー、健康によさそうだね。体は柔らかくなる?」

「柔らかくなりますよ」

「こんなポーズとかできたりするの?」

「ええ、こんなポーズができたりしますよ」

「へええー、凄いね、昔から体が柔らかかったの?」

「ほぼ毎日やってるうちに、少しずつできるようになりました」

「毎日かあ、私には無理だわ、熱心ですね」

「でも、朝起きたら伸びがしたくなりますよね。あれと同じです」

「へえー、そんなもんかな」

 

本当に特別なことなど何も無いと思う。

だれもが皆、ぐっすり眠った後は伸びをする。

ずっと椅子に座っていたら、背伸びをしたり肩をまわしたりしたくなる。

ずっと立っていたら、座りたくなるし、寝転びたくなる。

 

お腹がすいたら食べる、疲れたら眠る、血の巡りが悪くなれば伸びをする。

軽くお腹がすいたら、お菓子をつまんで済ませるけれど、

本格的にお腹がすいたら食事を取るように、

軽く伸びをしたくなれば、その場で背伸びして済ませるけれど、

本格的に伸びをしたければ「アーサナ」と呼ばれるポーズをする。

 

ヨガは複雑なポーズを取るイメージがある人が多いみたいだけれど、

体の柔らかい人が「うーん、物足りない」と思って色々試してみたら、

体の固い人から見て難しいポーズが生まれたということもあると思う。

 

アーサナで大切なことは、快適で安定した姿勢になることであって、

難しいポーズを取ることではない。

だから難しいポーズができなくてもがっかりする必要はないと思う。

 

難しい動きが要求されるのは、体操選手、ダンサー、サーカス団員などの方々で、

ヨガをする人が優先するべきことは、全身を調整できる基本的なアーサナである。

 

僕の先生は修行時代に10種類のアーサナのみを5年間毎日続けた経験を話してくれた。

5年後、ある本に記載されている120種類のアーサナが全てできたらしい。

簡単に見えるアーサナこそが実は最も大切で、多くのアーサナに通じることがある。

 

難しいポーズに挑戦してみたい気持ちもあるけれど。

体が自然に伸びするように、僕はヨガを続けたい。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

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